新車購入における残価設定ローンって損なの?得なの?メリットとデメリット
- 2018/2/5
- 借りる
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自動車を新車で購入する時にはマイカーローンを組むのが一般的ですが、たまに、「残価設定ローン」という言葉を耳にします。
「残価設定型クレジット」(残クレ)や「残価設定プラン」などといわれる事もありますが、同一のものです。
「残価」というのは「買取保証額」のことであり、事前に定められた規定(走行距離など複数の項目があり)を満たしていることを条件に、ローン終了時に当該金額で購入車が下取られます。
残価設定ローンの一般的な条件として以下のようなものが挙げられます。
- 走行距離制限あり。(目安は3年で4万キロまで)
- ドレスアップやカスタム(改造)出来ない場合が多い。
- 事故などを起こすと追加支払いがある。
万が一、事故を起こしてしまった際には、残価設定ローン車の事故にも対応しているような自動車保険に入っていると、ある程度保証が利くことがあります。
残価設定ローンは新車購入価格から3年ないし5年後の買取価格を差し引いて支払うようになっているため、通常のマイカーローンを組むよりも月々の返済額を大幅に抑えることができます。
なお、ディーラーは乗り換えてもらうことが目的でもあるため、残価設定ローンの金利を通常のマイカーローンの金利より低めに設定していることが多くなっています。
残価設定ローンと通常ローンの返済を比較してみました
仮に、300万円の自動車を購入し、頭金として50万円を入れ、残りの250万円をローンにして支払うとします。金利は3%、返済期間は3年(36回払い)とします。
【通常のマイカーローンの場合】
250万円の元金を金利3%で36ケ月払いにすると、月々の返済額は72,703円となり、返済総額は2,617,289円になります。結果的に元金に対して117,289円の利息を支払ったことになります。
【残価設定ローンの場合】
新車の3年後の残価が120万円に設定されたとします。従って、ローンで返済するのは新車価格から残価を引いた130万円で済みます。そのため、月々の返済額は37,805円、総返済額は1,360,984円になり、通常のマイカーローンより毎月の返済で34,898円も少なくなり、総返済額では1,256,305円も減ります。利息に関しても、56,305円がお得になります。
残価設定は3年後に即時買取・乗り換え・返却の選択が必要です
残価設定ローンではローン終了後即時に、車の買取、乗り換え、返却のどれかを選択しなければなりません。
買取したい場合
現在の車を乗り続けたい場合は買い取ることができますが、その場合は残価を返済することになります。一括での返済でも、新たにローンを組み直すことでも構いません。
乗り換えしたい場合
車を別の車に乗り換える場合は、現在の車と同じメーカーの車を同じディーラーで乗り換えなければなりません。
乗り換える場合は残価の返済は不要になり、新しい車の代金を支払うだけで済みます(新たに残価設定ローンも組めます)。
返却したい場合
現在の車を買い取らない、乗り換える車も無い場合は現在の車を返却することになります。残価の返済は不要です。
残価設定ローンのデメリットは?
残価設定ローンは返済が大幅に楽になりますが、以下の2つのデメリットがあります。
車を買い取る場合は金利負担が大きくなるデメリット
残価設定ローンの返済額は残価分(120万円)の元金を返済しないので当然少なくなりますが、それは3年後に新しい車に乗り換えるか、車を返却する場合です。
つまり、購入した車をそのまま乗り続けることにすると、当然120万円の元金とその利息を支払わなければなりません。
そうなると、3年の間120万円に対する利息を支払ってこなかったことから3年分の利息が加算されるため、残価を一括で返済したとしても、結果的には当初から250万円を分割払いで返済してきたよりも多額の利息を取られることになるのです。
新たな費用を請求される可能性があるデメリット
仮に、車を返却することにしたとしても、返却するだけでは済まず、追加の費用を請求される場合があります。つまり、残価と「実際の価値」とに差が生じる場合です。
これは、残価設定ローンの条件をよく確認して返却時にその点で問題がにようにするしか対策が取れません。
代表的なものが「過走行」で、残価設定時に定められた走行距離よりも多く走った場合は残価が下げられます。他にも、事故などで損傷が一定の範囲を超えているとマイナス査定となります。
残価設定ローンの残価というのは当初に設定した条件をクリアした場合のものであり、マイナス査定がなされて不足額が出た場合はその金額を負担しなければならないのがデメリットとなっています。
ちょっとした車の外面の傷や車内の汚れ(シミや臭い)などでも、マイナス査定に繋がることがあるので十分注意が必要といえます。
残価設定ローンのメリットは?
残価設定ローンのメリットは以下の2つです。
必要な期間だけ乗れる合理性があることがメリット
残価設定ローンの期間だけ車に乗りたいという場合には、残価設定ローンが有効です。残価設定ローンの支払いの最終回に車を返却すればよいからです。
乗りたい分だけお金を支払うという意味では合理的な選択でもあります。
一時的な利用に適しているメリット
何らかの理由で3年ないし5年後に車を乗り換える、または手放すことが明確な場合は、この残価設定ローンが効果的です。
残価設定ローンの損得まとめ
残価設定ローンには3年から5年ごとに新車が乗れるというメリットもありますが、マイカーローンがいつまでも続くことになるため、家計にとっては大きな負担です。3年・5年という期間が有効な目的になっていない限り、残価設定ローンにはしない方が賢明でしょう。
また、あくまでも最後の残価支払い時や途中で買い取らない限り、「借り物」ですから、事故や車内の清潔を保つ自信がない方も残価設定ローンでの車購入は不向きといえます。
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