過払い金の返還請求方法は?自分でも請求可能?

テレビを見ていると、いまだに弁護士事務所や司法書士事務所による消費者金融に対する「過払い金返還請求」の案内CMが流れています。最高裁において過払い金を認める裁定が下ってから数年が経ちますが、それでも返還請求が可能になっているのは、過払い金に対する返還請求権が取引終了後10年間有効だからです

従って、契約終了後10年以内であれば、完済済みであったとしても、過払い金の返還請求が可能です。特に、平成21年以前に借り入れていた分は違法な高金利になっている確率が高いです。

なお、弁護士と司法書士のどちらの事務所に依頼しても返還請求の代行は可能ですが、上限金額に違いがあり、司法書士(認定司法書士のみ代行可能)の場合は法律によって債権額(返還請求額)が140万円以下に限定され、それを超える金額の場合は弁護士でなければできません。

過払い金返還請求は自分でも可能!まずは取引開示請求へ!

過払い金の返還請求は弁護士や司法書士などの専門家だけが権限を持っているわけではなく、自分で行うこともできます。実際に、専門家に依頼しても自分で行っても手続きの方法に大した違いはありません。

まず始めに、すべての借入金額や返済金額、利息額を把握するため、消費者金融やクレジット会社に対して過去の取引履歴の開示を要請します。

過去には開示を拒否したり、出し渋ったりする業者がありましたが、個人情報保護法の制定にともなって開示することが義務化されたため、現在では事務的に処理されています。

特に、大手の消費者金融はスムーズに開示されます。ただ、取引状況によっては受領するまでに2週間から1ヶ月が掛かります。(過払いブームだった時は開示請求が非常に多かった為、受領までに1~2ヶ月かかりましたが、今はそこまで時間はかかりません。)

取引履歴を基に利息制限法で再計算していく

次に、取引履歴を基に利息制限法の正しい利息で計算し直し、過払い金がないかどうかを確認します。これを「引き直し計算」と言います。(利息制限法では10万円未満は年20%まで、10万円以上100万円未満は年18%まで、100万円以上は年15%までと決まっています。)

ただ、利息の計算は非常に複雑なため、素人が机上で行うのは不可能に近くなっていますが、近年はインターネット上で引き直し計算用の「フリーソフト」がいくつも出されており、それを使うと容易に算出できます。

そして、過払い金が判明した場合はその金額を記載した返還請求書を消費者金融に送付します。その場合は請求事実を証明するため、証拠能力のある内容証明郵便を使用します。

なお、書式に制約はありませんが、こちらもインターネット上にテンプレートがいっぱいあるので、参考にすると体裁の整った文書ができるでしょう。

過払い金が少額だった場合は早期和解も考えて柔軟に交渉すること!

数日から数週間経った頃に、消費者金融から返事がきます。返還を了承した場合は返還金を受領するだけですが、返還金の減額による和解を申し込んでくることが少なくありません。

また、何らかの異議によって訴訟になりそうな時は、訴訟費用や弁護士報酬などの裁判に掛かるコストと過払い額とのバランスを考慮したり、手間暇との対費用効果を検討したりする必要があります。

過払い金が少ない場合は訴訟になった場合、費用も時間もかかるので正直割に合いません。少額の過払い金だった時はある程度柔軟な姿勢で、欲をかかない方が賢明ということもあります。

誠意のない業者などは、数万円の過払い金は減額交渉という名のもと、放置している場合もあります。一度提示があった和解案を頑なに拒んでいると、結局過払い金が返還されないケースもあるので、少額の場合は早期和解をした方が得策になる場合もあります。

あっきー

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