収めた税金はどのように国の予算に組まれるのか?
- 2018/2/5
- 税金
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わが国では収入のある人は当然のこと、物を買った人やサービスを利用した人など、あらゆる人があらゆる場所で税金を納めています。
納める税金は所得税や消費税、市県民税、固定資産税、相続税など、様々な範囲に及んでいます。
そして、集まった税金は1年ごとに国会で予算として使い方が定められ、国民の生活や財産、安全を守るために使われます(そうであるはずです)。
2017年度予算(一般会計)はいくら?
2017年度予算の「一般会計」の総額は約97.4兆円(前年比0.8%増)です。
税収だけでは歳出を賄えないため、国債を発行して資金を集めます。簡単に言えば、国が国民から借金をすることです。
国債は投資家が買う事で、国にお金が入りますが、国債を買った投資家に対してはそれに対する利息が入る仕組みです。
その返済のための費用が、歳出の「国債償還費」となっています。
つまり、日本の財政は赤字だという事が言えるわけですが、政府は2020年までに黒字に戻せるような対策を講じると何年か前に打ち出しています。
ちなみに、歳出のその他には、経済協力費(ODAなど、0.5兆円)、エネルギー対策費(0.9兆円)、食料安定供給関係費(1.0兆円)などが含まれています。
地方交付税交付金の役割とは?
地方交付税交付金とは、地方自治体の収入の格差を少なくするために交付される資金のことです。
行政からのサービスは国民全員が公平に受けられるべきものですが、資金的にゆとりのある自治体とない自治体が点在すると、自治体によっては必要なサービスを受けられないことが起こり得ます。
地方交付税交付金は、そのような自治体間の格差を穴埋めするために、国が自治体に対して交付するお金です。
交付されたお金は自治体が自由に使途を決めることができます。
ちなみに、国からの交付金を受けていない自治体は都道府県では東京都のみ、市町村では60の自治体があります。
歳入の内訳
歳入の内、所得税・消費税・法人税の3つで47.4兆円になり、総歳入97.4兆円の半分近くを占めます。
ちなみに、日本の現在の消費税は8%ですが、諸外国と比べると低いと言えるでしょう(単純に数値だけを比較した場合)。
例えば、韓国は10%、中国は17%、ドイツは19%、フランスは20%、イギリスは20%、イタリアは22%となっています。
なお、アメリカは消費税ではなく販売税になっており、州によって6~10%の間での課税です。
*その他税収には、揮発油税、酒税、相続税、たばこ税、印紙収入などがあります。
歳出の内訳
歳出では何と言っても社会保障費(32.5兆円)の負担が高く、社会保障費だけで3分の1を占めています。
少子高齢化社会の進展に伴い、毎年増加の一途を辿っています。
予算には一般会計とは別に特別会計がある
実は、政府予算の中身は税金を収入源とする一般会計だけでは分かりません。
政府の予算には一般会計の他に、「特別会計」というものがあり、国の行う事業や資金の運用などを定めた一般会計とは別になっています。
その主な収入源は年金保険料や健康保険料です。
特別会計では一般会計より大きなお金が動いており、2015年度の特別会計における実質ベースの歳出は約195兆円で、一般会計の2倍になっています。
特別会計の歳出の半分近くが国債の償還関係で約92兆円、年金や健康保険など社会保障費が3分の1の約66兆円となっています。
国の本当の収支は一般会計と特別会計の両方を見ないと、正確な判断ができません。
額に汗して納めた税金ですから、有意義に活用されているかチェックすることも国民の役割といえるでしょう。
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