「チケトレ」は適正なチケット転売環境を築けるか?
- 2018/2/5
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人気グループのコンサートチケットにおける「ダフ屋」的不正転売が一向に無くなりませんが、そんな中「日本音楽制作者連盟」・「日本音楽事業者協会」・「コンサートプロモーターズ協会」・「コンピュータ・チケッティング協議会」の4団体が、イベントチケットを二次売買できる公式チケットトレードリセールサイト「チケトレ」の運営を開始しました。
チケトレではどのように取引出来るのか?
チケトレが設立されたのは、ライブやコンサートなどのイベントチケットの高額転売が禁止されていることから、イベントに行けなくなったことで購入したチケットを売却したい人に対し、安心して他の人に定価で販売できる場の提供を目的としています。
当然、購入者も定価で購入することができます。
出品者と購入者は以下の手順を取ります。
- ①登録
- ②チケットを出品:チケトレにチケット情報を入力
- ③チケットの発送:購入者による決済完了後、直接購入者へ発送
- ④代金の受領:イベントの4日後に運営局から入金
〇購入者
- ①本人確認
- ②チケットの購入:代金を運営局へ支払い
- ③チケットの受け取り:運営局へ受け取り確認
チケトレを利用するメリットは?
チケトレでは購入者が公演に入場できなかった場合、手数料を含め全額が返金されます。
逆にいえば、チケトレから購入しても入場が確約されているわけではありません。
また、バウチャー(購入証明書)が発行されるため、本人確認が必要な公演でもバウチャーを提示することで入場が可能です。
チケトレの場合、一時的に運営事務局がチケット代を預かる形となり、公演が終了してから事務局から出品者に代金が払われる為、客同士の代金でのもめごとが起こりにくいといえます。
まだまだ改善点は多い!?チケトレの欠点は?
チケトレは確かに高額転売を防ぐのに効果的な面もありますが、デメリットもあります。
そのデメリットとは、手数料が高い事、登録する個人情報が多い事の2点です。
まず、手数料に関して、例えば、定価10,000円のチケットを購入する場合、以下の手数料が掛かります。
- 発券手数料:108円
- 決済手数料:216円
- システム利用料:216円
- 特別販売利用料:514円(先行予約の場合)
つまり、10,000円に対して合計1,054円を支払わなければなりません。
また、売却においても手数料を取られるため、仮に上記のチケットが使えなくなったことで売りに出すと、以下の手数料も掛かかってきます。
- 売却代金:10,000円
- 取引手数料:10,000×10% = 1,000円
- システム手数料:380円
従って、10,000円のチケットに対して、購入手数料として1,054円、売却手数料では1,380円が掛かり、トータルすると2,434円をチケット代とは別に取られることになります。
ちなみに、手数料もチケトレの方がチケットキャンプやヤフオクよりも数段高くなっています。
こんなにお金を取られるなら、定価よりも高い価格で売却できる大手転売サイトのチケットキャンプやヤフオクを利用したいと思う方がいてもおかしくないでしょう。
次に、登録する個人情報が多い事に関しては、転売がなされないように本人確認が厳重な分致し方ないかもしれません。
チケトレは転売対策が目的となっていることから、以下のような本人確認を要求されます。
- 会員登録(メールアドレス、パスワード登録)とモバイル認証
- 運営者による出品者及び購入者の本人確認(初回のみ)
- 身分証(運転免許証、健康保険被保険者証、パスポートのいずれか)の提出
- 写真をアップロード
- 氏名/生年月日/身分証画像/住所/口座情報の提出(出品者)
もっと気軽に利用できるサイトのある中、これだけの個人情報を提出することに躊躇する人は少なくありません。
万が一情報漏えいなどが起こった場合には、大きな被害が予想されますからそういった点で手が出しづらいといえるでしょう。
加えて、購入時には手数料を取られますが、どんなチケットも定価で購入できるため、確実に高額なプレミアの付く人気アーティストのチケットなら、「転売屋」がチケトレを入手ツールとして悪用する懸念もあります。
ジャニーズ事務所はチケトレに参加するのか?
ファンの規模的にチケットの競争率が尋常ではない、ジャニーズ事務所に所属するアーティストやアイドルのチケットは、公式が全面的に譲渡・転売を禁止しています。
その為、例えばチケトレが高額転売を取り締まり、定価(+手数料)でチケットの売買が安全に出来たとしても、ジャニーズ系のチケットをチケトレで入手しても入場できるかどうか?という点に疑念が寄せられているようです。
チケトレの「転売NO」キャンペーンのサイトには、ジャニーズ事務所の文字が現在の所ありません。
ただ、ジャニーズに所属している方が直接そのキャンペーンサイトに賛同して要る場合はあります。
今のところ(2017年9月現在)、特に事務所そのものとしてのチケトレ参入に関しては動きがないという事しかハッキリしていません。
また、ファンの間ではチケトレでチケットを手に入れたとして、定価に手数料が加わっており、その手数料分がジャニーズに入るわけではない為チケトレを利用するメリットはないというような意見も出ているようです。
手数料の見直しの他、チケトレから購入したチケットに対して他の転売サイトにはないメリットを付けないと、チケトレが広く普及することには疑問が残るといえるでしょう。
ただ、高額転売への対策の第一歩となることに違いはありませんから、もっとシステムの精度が上がっていく事を期待したいですね。
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