交通違反の罰金(反則金)を払わないと逮捕されるの?

車を運転している時に、急に後ろからサイレンが鳴りだしてスピーカーで「車を左に寄せて停めてください」と言われたら、あきらめるしかありません。

つまり、スピード違反か、信号無視か、一時停止違反などの交通違反が見つかったということです。

交通違反の種類は2つあります

交通違反には大きく分けて2つの種類が有ります。1つは罰則が規定されている交通違反、もう1つは罰則規定のない交通違反です。

罰則規定のある交通違反を犯した場合は、本来なら裁判などの刑事手続きを経て処罰され、前科が付きます。

しかし、実際には罰則規定のある交通違反でも軽微な違反においては、刑事罰を受けることも前科の付くこともありません。それは「交通反則通告制度」が採用されているからです。

青切符・交通反則通告制度とは?

交通違反の中でも軽微なものを反則行為と呼んでいますが、その軽微な交通違反をすると「青切符(交通反則告知書)」が切られ、反則金を支払うことになります。

反則金を支払う代りに刑事処分がされないシステムになっており、それが交通反則通告制度であり、俗に「反則金制度」と呼ばれています。

交通反則通告制度は1968(昭和43)年に設立されたものですが、当時は日本の高度成長時代であり、車の数が急激に増えてきたことで交通違反の数も増加の一途を辿っており、すべての交通違反に対して刑事手続きをしていたのでは検察も裁判所もパンクしてしまいます。

そこで、違反処理の効率化と迅速化を目的に設けられたのが行政手続きの交通反則通告制度です。

交通反則通告制度では警察官が道路交通法の「反則行為」と認定した違反において、違反者が一定期日までに反則金を納付すると、その違反行為に対する公訴(訴追)が提起されません(少年の場合は家庭裁判所の審判)。

要するに、訴追より交通反則通告制度が優先されるため、刑事責任を問われないということです。

反則金の納付は任意とされていますが、納付をしないまま警察からの通告を無視し続けると、逮捕される可能性があります。

実際に、最近でも悪質な違反者に対して道路交通法違反容疑で逮捕状が発布され、何百人も逮捕されています。

交通反則通告制度(反則金制度)の流れは?

軽微な交通違反(違反点数6点以下)をすると、その場で警察官から「青切符(交通反則告知書)」と「反則金仮納付書」が交付されます。

納付期限は青切符を受け取った日を含めて8日間で、反則金の「仮納付」をした時点で行政手続きは終了となるのですが、仮納付の期限までに支払わないでいると、約40日後に交通反則通告センターから反則金納付のことを記した通告書(本納付書)が送られてきます。

仮納付書の期限を過ぎてしまったからといって、すぐに刑事手続きに移るわけではありません。

通告を受けた日を含めて11日以内に反則金を金融機関へ納付(通告書の送料800円を含む)すると手続きは終わりです。なお通告書は薄ピンク色になっているため、赤切符と勘違いする人もいます。

通告書が郵送されてくる前に仮納付書の期限切れに気づいた場合は、交通反則通告センターに連絡後直接赴くことで、その場で通告書を発行してもらえることも可能です。(この場合郵送料分はかからない。)

ただし、交通反則通告センターで納付は出来ません。

交通反則金の納付は銀行か郵便局ですることとなります。(間違ってもコンビニでは納付できません。)

赤切符とは?

青切符の他に「赤切符(交通反則通告書)」があります。赤切符は交通反則通告制度の対象になっていない軽車両や歩行者が道路交通法に違反した時や、違反点数6点以上の重い違反をした該当自動車運転手に交付され、刑事手続きにより処分が決定します。

仮に、赤切符を切られると、略式起訴されて前科が付くことになります。そして、無免許運転や酒気帯び運転、酒酔い運転、または交通事故を起こした場合も当然交通反則通告制度の対象外です。

呼び出しを無視すると逮捕さるのか?

逮捕された画像交通違反の反則金の支払いは任意なので、支払わなかっただけで逮捕される事はありません。ただ、反則金の納付をしないと交通反則通告制度が適用されないため、刑事手続きに移行します。

刑事手続きといっても、起訴・不起訴の判断へと移るだけなので、この時点で「有罪の判決が下る」、「逮捕される」といったことにはなりません。

その後、警察から電話やハガキなどで支払いの催促があり、それでも納付しないと任意の呼び出しが行われますが、再三の呼び出しに応じないなど任意捜査が困難であると認められると、裁判官から逮捕状が発付され、逮捕されます。

また、刑事手続きに移行して、検察からの出頭要請を無視した場合も逮捕されることになります。そして、裁判で有罪判決を受ければ、罰金刑や懲役刑が科せられてしまいます。

交通反則での裁判は交通裁判所で略式(異議申し立てがないことが前提)で行われ、基本的に1日で終わるようです。

判決を受け刑を科されると、罰金より軽微である場合は5年、禁固刑以上の場合は10年経つまで、前科として自身の履歴に付きます。

ちなみに、青切符に納得できない場合は反則金を納付せずに、訴追で無実を主張する方法を採ることもできますが、ほとんどの人は時間と手間を考えて選択はしないでしょう。

白切符とは?

シートベルト着装義務違反、ヘルメット着用義務違反などの場合は「白切符(点数切符)」を切られますが、白切符は反則金が無いため、逮捕されることはありません。

それは、白切符の違反には罰則規定がないことから刑事裁判をすることがありません。刑事裁判というのは有罪か無罪を確定し、有罪であればその刑罰を決める手続きであるため、罰則のない犯罪を裁く意味がないのです。

時に、後部座席のシートベルト非着用は一般道路では注意で済みますが、高速道路(料金所付近も含む)の場合は後部座席であっても白切符で1点減点となります。

免許不携帯は違反点数加点なし?

ところで、交通違反でいう点数は実は減点方式ではなく加点方式になっています。

何となく悪いことをしたら点数は減らされるような気がしますが、「違反した点数」として加点される仕組みです。

しかし、交通違反の中には白切符とは逆で、反則金はあるものの違反点数が付かない行為があります。

それが免許不携帯です。他の違反行為も兼ねている場合は、免許不携帯と兼ねて違反してしまった行為の方は点数が付くので、そちらの点数が無効になることはないです。

免許不携帯のみでの捕捉の場合、違反点数0点なのでゴールド免許の方が、免許更新でブルーになってしまう事はありません。
ただし、反則金(3,000円)は生じます。

世の中には反則切符を切られても、交通反則通告制度を嘲るようにわざと反則金を納めない人もいますが、交通違反もれっきとした「犯罪」です。たいていは最後に警察に謝る結果になっています。

余談として、反則金を収めることができない人が稀にいますが、その場合、裁判を経て有罪判決後に懲役刑に服すしかありません。数週間~数ヶ月懲役に行くことでお金を払わない選択肢も一応ありますが、その間仕事もできませんのでおすすめはできません。

あっきー

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