インターネットを利用したショッピングサイトは数多くありますが、最近何かと話題になっているのが、ZOZOTOWNの「ツケ払い」です。
ZOZOTOWNは数多くのファッションブランドを扱う若者に人気のショッピングサイトです。
ちなみに今シーズンから、プロ野球チームであるロッテマリーンズのホームスタジアムの命名権を取得したことで、スタジアムの名称が「ZOZOマリンスタジアム」に変更されました。
ZOZOTOWNのツケ払いはどんな仕組み?
ZOZOTOWNは元より支払方法が多様であり、現金、コンビニ払い、クレジットカード払いから選択できます。
さらに、2016年から新たにツケ払いを開始しましたが、このツケ払いが波紋を広げています。
ZOZOTOWNのツケ払いは税込5万4,000円を利用限度額として、商品注文日から最大2ヶ月間支払いを先送りにできるシステムです。
ZOZOTOWNツケ払いを利用した際の手数料は324円となっています。
ツケ払いの導入には、以下のような方でもZOZOTOWNが利用可能になるような目的が含まれています。
・クレジットカードを保有していない、保有できない人でも利用できます。
実際には今手元にお金の余裕がない状態でも、商品の購入が可能となる仕組みとなっているため、賛否両論がささやかれています。
ちなみに、クレジットカードも支払いは後になるため、ツケ払いに変わりはありません。
ZOZOTOWNツケ払いの決済システム
ツケ払いはZOZOTOWNが決済代行業者(GMOペイメントゲートウェイ)に立替払いをしてもらう仕組みになっているため(決済代行業者への債権譲渡)、クレジットカード同様の信用販売と言えます。
ツケ払い利用の流れは以下の通りです。
- ①利用者がZOZOTOWNに注文します。
- ②商品が送られてきます。
- ③後日、決済代行業者より請求書(振込用紙付き)が届きます。
- ④コンビニや銀行から決済代行業者に対して支払いをします(2ヶ月以内)。
決済代行業者は代金の債権を肩代わりする代わりに、ZOZOTOWNから手数料を取ります。
また、ZOZOTOWNは債権を決済代行業者に譲渡するため、仮に利用者が支払いをできなかったとしても、被害を被りません。
ツケ払いでの購入ができる問題点は?
ツケ払いの欠点の一つとして指摘されているのが、支払い能力の無い未成年者が保護者に無断でこのサービスを利用してしまうことです。
この指摘に対してZOZOTOWNは、支払い方法の選択画面で、『未成年者の方は保護者の同意を得たうえでご利用ください』との文言を表記していると回答していますが、いささか対策として弱いといえるでしょう。
ただし、仮に、未成年者が親の承諾無しにツケ払いを利用して商品を購入した場合、民法の以下の規定が適用されます。
未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。
ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2項 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
また、割賦販売法では決済期間が2ヶ月を超える場合、利用者の信用調査を必要としています。
しかし、ツケ払いは2ヶ月以内なので、割賦販売法の適用を受けません。
従って、ZOZOTOWNは利用者の支払い能力の有無を判定せずに商品を販売できてしまうわけです。
加えて、現金を直接貸し付けることになると貸金業法の管理下になるため、決済代行業者は利用者の信用調査が必要であり、さらに利用者の収入の3分の1を超える貸付が禁じられています。
しかし、ツケ払いはあくまでも立て替え払いのため、貸金業法に触れません。
結果的に、ZOZOTOWNと決済代行業者は支払い能力の不明な利用者に商品を信用販売したとしても法律には抵触しないのではないか?という点が指摘されているのです。
ツケ払いは一見便利なように見えますが、借金と同じである、という認識が必要といえます。
また、クレジットカードの場合は2ヶ月後までの一括払いに対しては手数料が掛からないため、ツケ払いをすると損です。
従って、ツケ払いはあくまでもクレジットカードを所有していない人、もしくは現金での支払いができない人専用の決済方法と言えます。
ツケ払いが問題視されているのは、返済能力のない人まで商品を購入できてしまうということです。
消費者金融もクレジット会社も申し込みがあると、必ず利用者の信用状態を審査をします。
無審査で信用取引をすることに危険性が内在しており、現実に支払い事故が多発しています。
くれぐれも、自身の支払い能力を超えるような買い物は控えるようにしましょう。
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