株式の売買の決まり方と株価

株式を購入したい場合は証券会社に注文する、ということはわかっていても、株式の売買がどのように決まるのかを知っている人は実際に株式を所有しているでもそれほど多くありません。

株式の売買における価格も当然、需要と供給のバランスによって決まります。

だからこそ、その日の状況によって株価が変わのです。

なお、株式市場における売買の仕組みには「ザラバ方式(オークション方式)」と「板寄せ方式」の2つがあり、状況に応じて使われる方式が決められています。

株取引における2つの原則とは?

株式市場での取引は「競争売買」に則っており、その競争売買は「時間優先の原則」と「価格優先の原則」に従っています。

①時間優先の原則
時間優先の原則というのは、同じ価格で注文を受けた場合は先に出された注文を、後に出された注文より優先して約定する。というルールです。簡単に言えば、早い者勝ちです。

②価格優先の原則
時間優先の原則とともに、注文の価格が異なっていた場合は以下のものが優先されます。
・売り:最も価格の低い注文が優先
・買い:最も価格の高い注文が優先

1,000円で売りたい人と1,100円で売りたい人がいた時は、1,000円で売りたい人の取引が先に行われます。

買い注文はその逆で、より高い価格の注文が優先されます。

なお、「指値注文」の場合は指定された価格に合致する相手株があった場合にのみ取引が行われ、「成行注文」の場合は価格の指定がないため、成行買い注文の場合は相手方の売り注文、成行売り注文の場合は相手方の買い注文があれば、必ず約定します。

また、指値注文と成行注文の価格が同一になった場合は、成行注文が優先されるという原則があります。

ザラバ寄せ方式と板寄せ方式

●ザラバ寄せ方式
証券市場が開いている間は、株式を「売りたい価格」と、株式を「買いたい価格」が一致した時に売買が成立します。

証券会社のWEBサイトでは「板情報」を確認することができます。

板情報とは、銘柄ごとにどの価格帯にどれくらいの注文が入っているかなどの情報がリアルタイムで表示されているツールです。

ただし、刻々と注文が入るため、自分の注文した時にはデータが変わっている可能性があるので注意しましょう。

板情報で買い数量が多ければ株価の上がる「買い気配」、売り数量が多ければ株価の下がる「売り気配」ということが予測できます。

上記の板情報では最も安い売り注文は1,530円の500株で、最も高い買い注文は1,520円の700株です。

従って、この時に指値で1,530円の注文を出せば500株までならで購入することができます。

ところが、1,520円で買おうとすると、既に700株の注文が出ているため、時間優先の原則から早く注文された700株が消化されないと購入できません。

また、この時に指値注文より優先される成行注文で700株の買い注文が入ったとすると、最も安い価格の1,530円で500株が約定されます。

そして、足りない200株を次の価格の1,540円で200株が約定となります。

株価はそれぞれ1,530円・500株、1,540円・200株となります。

その他、上記板情報において、1,500円で900株売りたいとの売り注文が入ると、一番高い買い注文である1,520円・700株との間で株価1,520円で700株が約定され、1,510円の株価で残りの200株が約定されます。

ちなみに、ザラバ(ザラ場)とはその日の最初の取引から最終の取引までの時間のことをいいます。

普段よく行われている寄付から引けまでの取引であることから、「よくある=ザラ」という意味で使われているようです。

●板寄せ方式
ザラバ方式の他に、板寄せ方式という売買方式があり、寄付、前引け、後場寄り、大引けで使われます。

  • 寄付(よりつき):証券取引所における最初の売買
  • 前引け(ぜんびけ):前場(午前中)の最後の売買
  • 後場寄り(ごばより):後場(午後)の最初の売買
  • 大引け(おおびけ):その日の最後の売買

板寄せ方式では以下の3つの条件をすべて満たす価格で売買が成立します。

  • 成行の売りと買いの注文すべてが成立
  • 約定価格より高い買いと、低い売りのすべてが成立
  • 約定価格の売り注文または買い注文のいずれか一方のすべてが成立

板寄せ方式は難しい計算になっているため、覚える必要はありません。

板寄せまでに出されていた注文をすべて同一時間に出されたものとして扱い、出ている注文全てのバランスをとった価格で約定されます。

また、特別気配(売りまたは買いのどちらか一方が極端に大きい場合)の時などにも板寄せが利用され、数分ごとに価格を切り上げ(切り下げ)ていき、売りと買いの数量がぴったり合致するまでは売買が停止されます。

株価のストップ高・ストップ安とは?

株式の売買はどの価格になっても自由に取引ができるわけではありません。

前日の終値に基づいて株価の1日の変動が一定の範囲内に収まるように制限値幅が決められています。

例えば、前日の終値が500円の場合は制限値幅が100円のため600円で「ストップ高」、400円で「ストップ安」となります。

そして仮に、ストップ高の時の売りが200株、買いが3,000株の場合、2,800株は約定することができませんが、200株分は約定できます。

すると、証券取引所が当該株式の注文を出している証券会社に200株を分配します。

そして、各証券会社は独自で定めている内部ルールに基づいて、その分配された株数を注文を出している投資家に分けるしくみになっているのです。

これを「比例配分」と言います

株式の売買は時間優先、価格優先の原則があるため、それを上手に活用するのがコツです。

そして、すぐに買いたい(売りたい)時は成行注文ですが、期待通りの価格で約定されるとは限りません。

価格を重視したいなら指値注文ですが、必ず約定されるとは限りません。

あっきー

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