最低賃金制度とは?時給の最低ラインは決まってる?

国会の予算審議でもよく出てくる言葉に「最低賃金」があり、経済動向のバロメーターにもなっています。

日本では最低賃金制度が導入されていますので、使用者は最低賃金法に則って最低賃金額以上の賃金を労働者に支払うことが定められています。

ここで言う労働者とは、正社員、パート、派遣などの雇用形態に関わらず、すべての労働者に適用されます。

最低賃金はどのように決まるの?一番高いのはどこ?

最低賃金には産業や職種に関わりなく都道府県別に適用される「地域別最低賃金」と、特定の産業に設定される「特定最低賃金(産業別最低賃金)」の2種類があり、両方が同時に適用される場合、使用者は高い方の賃金を支払わなければなりません。

ちなみに、特定最低賃金というのは各都道府県別に主要な産業に設定されるもので、一般的に地域別最低賃金より高くなっています。

最低賃金は毎年10月に改定されて発表されており、平成28年度10月の改正では、東京都の最低賃金が最も高くて時間額932円(平成27年907円)となっています。

【平成28年10月改正の最低賃金一例】
北海道:786円
宮城県:748円
千葉県:842円
神奈川県:930円
新潟県:753円
愛知県:845円
大阪府:883円
京都府:831円
鳥取県:715円
香川県:742円
福岡県:765円
沖縄県:714円

特定最低賃金(産業別最低賃金)が一番高いのは?

特定最低賃金(産業別最低賃金 平成28年2月)では、最も高いのが愛知県の製鉄業、製鋼・製鋼圧延業、鋼材製造業で912円、最も低いのが宮崎県の部分肉・冷凍肉、肉加工品、処理牛乳・乳飲料、乳製品製造業で678円となっています。

最低賃金は法律で決められていることから、仮に使用者と労働者双方が最低賃金より低い賃金での就労に合意したとしても法律では無効となります。

また、最低賃金は労働者が働く場所において適用され、勤務先の本社の所在地は関係ありません。このことから、派遣労働者の場合は派遣元ではなく、派遣先所在地の最低賃金が適用されるのです。

月給の最低賃金の計算方法は?

賃金が時間給の場合は単に時間給が最低賃金以上かどうかを見るだけで済みますが、月給の場合は支給額の中から最低賃金を割り出す必要があります。

【月給の場合の最低賃金計算方法】
①支給額から皆勤手当や家族手当、通勤手当、残業手当などの付加手当を除き、基本給を算出します。
②基本給を1ケ月の平均労働時間で割って1時間当りの単価を算出します。

月給の場合は手当が含まれるため、同じ支給額でも最低賃金を上回る場合と下回る場合が出ます。

例えば、以下のケースがあります(月平均時間・168時間)

最低賃金を上回るケース

基本給与額:160,000円
職務手当:8,000円
通勤手当:10,000円
総支給額:178,000円
※この場合、賃金対象に含まれるのは基本給と職務手当だけです。

上記の最低賃金は、基本給と職務手当を合わせた168,000円÷月平均労働時間(168時間)=10,000円となりますので、最低賃金を上回っています。

最低賃金を下回るケース

基本給与額:140,000円
職務手当:8,000円
皆勤手当:20,000円
通勤手当:10,000円
総支給額:178,000円
※この場合、賃金対象に含まれるのは基本給と職務手当だけです。

上記の場合だと、基本給と職務手当を合わせた148,000円÷月平均労働時間(168時間)=880.95円となりますので、東京であれば最低賃金を下回っていることになります。

もし最低賃金違反となった場合、使用者は下回った分の金額を労働者に支払わなければなりません。

最低賃金減額の特例許可とは?

最低賃金はすべての労働者に適用されるものですが、一部減額の認められる人たちがいます。

例えば、障害者に対しても最低賃金を一律に適用すると、却って雇用機会を狭めるおそれがあるため、最低賃金の減額の特例が認められています。

その他、試用期間中(通常3ケ月から6ケ月)の労働者、職業訓練(厚生労働省認定)受講中の労働者、ビル警備員や守衛・学校の用務員などの断続的労働就労者、軽易業務就労者などの特例が認められています。

特例を利用する場合は、使用者が最低賃金の減額の特例許可申請書を提出し、労働局長の許可を受けることが条件とされており、申請先は事業所の所在地を管轄する労働基準監督署となっています。

最低賃金未満で雇っていた場合どうなるのか?

最低賃金を下回った賃金で使用し続けると、50万円以下の罰金(特定最低賃金を下回った場合は30万円以下の罰金)が科されることになっています。

  • 最低賃金法第4条第1項:『使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない』
  • 最低賃金法第40条:『第4条第1項の規定に違反した者(地域別最低賃金及び船員に適用される特定最低賃金に係るものに限る)は、50万円以下の罰金に処する』

あっきー

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