日本はアメリカに比べると、株式投資をしている人の割合が非常に少なくなっていますが、それは日本人の堅実性という気質が影響していると言われています。
そこで、無理して高額な資金を投資しなくてもいいように、実は証券会社には少額の資金でも始められる株式があります。
それが、「ミニ株」です(ネット証券ではプチ株、S株などと呼んでいます)。
通常株式とミニ株の違いは売買単位?
株式市況のニュースを見ていると、大手企業でも1株当りの金額が数百円の株価のものがありますが、だからといって数百円で株式を購入できるわけではありません。
株式投資では1回の売買で扱われる株式数が決められており、例えば、「売買単位100」と記載されている株式は、最低でも100株の株式を売買する必要があります。
従って、1株の金額が1,000円とすると、1,000円×100株で10万円の資金が必要です。
このように、取引可能な株式数の単位制度を「単元株制度」と言います。
そこで、もっと売買額を低額にすることで、より多くの人に株式投資ができるように提供されたサービスがミニ株です。
近年、証券会社の中に購入に必要な最低株式数(ほとんどの企業が100株)を下回る数(単元未満株、10分の1以下)での取引のできるところが出てきており、特に、ネット証券では最低取引可能数が1株になっているのが一般的です(SBI証券、マネックス証券、カブドットコム証券)。
つまり、ミニ株の場合、1株の金額が1,000円であれば、1,000円から株式投資が可能ということです。
ミニ株売買の特徴とは?
ミニ株は各証券会社における独自のサービスであるため、すべての証券会社で売買できるわけではありません。
また、通常の売買による株式とは違うため、名義人は証券会社の名義となります。
ただし、株式の配当については、保有株式数に応じて配当金が公平に分配されます。
株式の分割が行われた時も同様です。
なお、単元制度を利用していない企業の株式はミニ株制度を利用することができず、また、保振制度に同意していない上場企業の株式も、ミニ株で売買することができません。
保振制度というのは、売買した株式の株券の受け渡しをせずに、株式に関する権利の管理を行う制度です。
ミニ株の売買は売買の申込日の後場や、翌日の前場での「寄り付き」の価格での買付・売却の行われるのが特徴になっています。
寄り付きとはその日の取引の最初に成立した売買のことを言います。
従って、希望する金額による売買の成立を目指す「指値」での取引はミニ株ではできません。
そのため、変動が激しい銘柄の場合は、思惑より高い値で買ったり、安い値で売ったりする場合があります。
逆に、想定していたことより良い結果を得られるケースもあります。
なお、ミニ株の買付を繰り返した結果、株式数が定めた一定の数(通常は100株)に達した時は通常の単元株として扱われます。
この時点で、株式の名義人が投資家に変わります。
ミニ株のメリットとデメリットとは?
〇メリット
単元株でしか取引できない優良企業の高額株式を少ない資金で売買できます。
また、少額の資金で購入できるため、それだけ複数の企業への分散投資が可能になり、株価変動によるリスクを回避することができます。
〇デメリット
デメリットとしては、売買のタイミングを自分で設定できないことが挙げられます。
株式市場が開いている時間内の取引額で売買できるのではなく、ミニ株の場合は寄り付きですから、市場が開いた時点で価格が決まり、その額で売買をしなくてはいけません。
また、取引手数料は単元株より安くなっていますが(最低50円、約定代金×0.5%)、取引単位が小さいために若干割高になります。
それと、株主優待が付きません。
ミニ株は何といっても少額の資金で株式投資のできることが最大のメリットです。
また、ネット証券の場合は取引手数料が安い上、ネット上で株式の動きを確認できたり、取引が可能だったりするため、仕事や家事の合間に投資ができます。
なお、証券会社によって手数料や注文方法などに異なる点があるため、事前に確認して自分のニーズに即した業者を選ぶことが大切です。
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